男らしく？女らしく？～奄美市男女共同参画交流会事業～

うがみんしょーらん♪

2月22日土曜日に行われた『Amami　woman's　BIZ CAFE』の様子をレポートします！

奄美初の『働く女性のための異業種交流会』。
会場である、県立奄美図書館の４F研修室に島で働く女性たち、約50人が集まりました。









まず、主催である鹿児島県男女共同参画局の印南百合子次長より挨拶。
また、鹿児島県女性活躍推進会議下部組織である「鹿児島県女性ワーキンググループ」より、鹿児島県の働く女性の現状についての報告がありました。






今回のメインプログラムとなる「トークセッション」。
島で働く女性4人をお招きし、それぞれの働き方、働く上での困難やそれを乗り越えることのできた方法、働く喜びなどを語っていただく時間です。


今回お迎えしたパネリストは、

・山本美帆さん（瀬戸内町阿木名集落のHUB a nice d!コーディネーター）
・新島美加代さん（県立大島病院の看護師）
・嘉江みかどさん（ミスタードーナツ奄美大島店店主）
・永吉紀子さん（イオンプラザ大島店のデイリー部門を担当）

の4人。
コーディネーターは、鹿児島県で男女共同参画に関する活動をされている、鹿児島県男女共同参画審議会会長であり、オフィスピュア代表のたもつゆかりさんをお迎えしました。

まずは、簡単な自己紹介から。


（左から　たもつゆかりさん、山本美帆さん、新島美加代さん、嘉江みかどさん、永吉紀子さん）

働く女性が直面する問題について、たもつゆかりさんがパネリストに質問、それに対してパネリストが答えていくという流れ。
参加者は、島の女性たちのさまざまな働き方の話に耳を傾けていました。


１、「結婚・出産・転勤」によるキャリアの中断



山本美帆さんは、東京の電機メーカーで働くバリバリのキャリアウーマンだったそうです。大きい仕事を任せられてやる気にあふれていたさなか、突然、旦那さんの転勤で奄美に行くことに！山本さんは、「キャリアを中断すること=挫折」、と感じたそうです。

引っ越してきた奄美で、気持ちを切り替えて新しい仕事を見つけて働き始めると、ほどなく妊娠。そこでまた仕事を辞めることになり「2度目の挫折」を感じた山本さん。
出産後は、子どもが出来たとたんにやりたいことができなくなる、という現状を変えたい！と空き家を改修し、チャレンジショップ兼レンタルスペース「HUB a nice d!」をオープン。
挫折を感じながらもその経験を踏まえ、子育てしながら「好きなことで働く」場、地域のコミュニティの場を自ら創ってしまうという行動力は見習いたいですよね！

現在は、ご主人の転勤先の鹿児島と奄美の2拠点生活とのこと。自身のフレキシブルな働き方を発信していきたい、と語ってくれました。


２、子育てと仕事の両立

ミスタードーナツ奄美大島ショップの店主、嘉江みかどさんは、奄美店でアルバイトを経験後、同業だった旦那さんの転勤で鹿児島、東京、千葉など、行く先々のミスドでパートとして働き、実績を作ります。

シングルになり島に戻りますが、奄美店当時の店主にお願いされ、いきなり店主に抜擢！
まだ女性の店主は珍しかったという当時、シングルで子育てしながら、店主としてスタッフをまとめながらの仕事は、はじめは苦労したといいます。



しかし、子育て中心の働き方を会社に認めてもらうことで両立できたこと、また雇う側の立場から、はじめはスタッフに厳しかったが、自身が子育てを経験するうえで、すぐに出来なくて当たり前だと気付き、スタッフに寛容になったこと、などを語ってくれました。
苦労話も明るく吹き飛ばす嘉江さんの姿に、私たちも元気をもらいました♪



３、ワークライフバランス



県立大島病院の看護師をしながら4人の子育て中の新島美加代さんは、大島紬にベレー帽で登場！
看護師という仕事と4人の子育てや家事の両立はどうやっているの？・・・という質問に対し、小児科の看護師、という仕事は本当に楽しく勤務中は全力で臨み、家事・育児に関してはご主人の手助けもあるとのことで、お互いにフォローしあいながらうまく両立出来ているのだそう。

29歳で大島紬をPRする「紬美人」として活動後に、大島紬をもっと気軽に着る機会を作りたい、と「紬んちゅの会」を立ち上げ、和のイベントや和装ランチ会を開催したり、また家族で過ごす時間も充実されているようでした。

仕事、家事・育児、プライベートの3つのバランスをうまく保っていて理想的な新島さんですが、ご主人や周りの人たちに対しては常に「感謝の気持ち」を忘れない、といいます。本当に「感謝の気持ち」って大事だな、と改めて気づかされました。


４、パートから正社員へのステップアップ



イオンプラザ大島店のデイリー部門を担当の永吉紀子さん。
デイリーのナイトスタッフとしてパートで4年働いたのち、昇進試験を受けて正社員に！

店内POP作成やイベントに関わる営業部門を担当、その後出産のため産休・育休（わずか10ヵ月間！）ののち、復職されたそうです。
子どもがまだ小さなうちは、急に熱を出したりで早退せざるを得ない状況だったといいますが、社内の理解もあり、子育てとの両立も可能に。
営業部門を経て、現在も、デイリー部門で生き生きと働いている様子を話してくれました。

パートからスタートしても、ステップアップしたい！という気持ちがあれば、現状を変えられるのだ、と私たちも勇気が湧きました。


たもつゆかりさんは、今の状況を開示することが大切、会社に交渉することで道が開ける、と話し、4人のパネリストたちは、それぞれが自身の働き方について、仕事のやりがいについてや、大変だったこと、どう乗り越えたか、などをいきいきと語ってくれました。

女性が直面するさまざまなライフイベントによって状況が変わっても、自分がどう働きたいのか、意見をしっかりと持って、職場にも理解してもらい、自分らしい働き方を続けていけたらいいですね。



今回のイベントでは、奄美市名瀬伊津部町の人気店「Au pas camarade」さん特製のスイーツビュッフェをご用意しました♪
（黒豆とくるみのパウンドケーキ、チョコレートケーキ、ココナッツミルクプリン、きびだんご、ノーマルクッキーの5種類！）

ドリンクは、奄美産のマコモ茶、加計呂麻産のレモングラス茶のドリンクサーバーを設置。




さらに、沖永良部観光協会から提供のじゃがいもかりんとう、徳之島の(株)ＣＡＮＡＡＮ（カナン）（本社：福岡）から提供の甘酒も、試飲・試食用に並びました。

スイーツは、あっという間になくなりました♪



またこの時間を利用し、トークセッションの感想や、自分を振り返るワークなどを記入、次のグループトークに繋げました。




続いて「グループトーク」。
トークセッションを聞いたうえで思ったことや、自分の働き方、悩みについて自由に語り合うグループトークの時間です。



まずは、奄美市で男女共同参画啓発活動を行っている「あまみ会議」重信千代乃会長より活動の紹介。

参加者は9つのグループに分かれ、鹿児島ワーキンググループ、あまみ会議のメンバーをファシリテーターとしてスタート！

1つのグループで15分間話し、15分経ったら自由にグループ移動。
3回グループをチェンジして、みんなで話し合いました。

話す内容はフリー。それぞれが思うこと、聞きたいことなどを発言し、そこから話を広げ、あるいは深めていきます。





自分はこんな働き方をしている、仕事上の体験談、働くうえでの悩みの共有や意見を出し合ったり、解決策を探ったり・・・

15分では足りないくらい話が弾んだグループも。
いろんな人の意見が聞けて良かった。楽しかった。もっと話したかった。などの声もありました。


その後、意見発表！




グループトークで他の参加者（経営者）と話し、働き方について上司ときちんと話し合えていなかったと気付いた、という方も。
子育て中でも働きたい、仕事を任せてほしい、ということを上司や会社側に伝えておくこと、もっとコミュニケーションをとっておくことが大切だと気付けたようです。

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最後に、たもつゆかり先生のまとめの講話です。
優しい口調のなかにある熱意のこもった言葉に、私たちにも響くものがありました。

男女共同参画についてわかりやすく説明するとともに、現状の問題点などを挙げました。
今でも労働は男性ファーストの社会、女性の家事労働が低く評価されすぎていることなどを挙げ、女性が社会に出て働くこと、働き続けることの重要性について力強く訴えかけました。




男女平等についての意識調査（2019年）で、日本は153カ国中121位（過去最低順位）なのだとか。
まだまだ女性の活躍の場が少ない日本の現状。
女性が活躍できる社会・環境をつくるため、こういった社会の在り方に目を向け、法制度なども積極的に活用することが大事、と話してくれました。



さあ、最後のプログラム『アロマのワークショップ』。

たくさん話して、考えた時間を経て、少し疲れた参加者を癒すごほうびタイム♡

アロマの精油を使った簡単なハンドクリームの作り方と、家族にもケアしてあげられるタッチケアの方法を、自分磨きサロン「Jewel Me」の市田ユカリさんに教えていただきました。




作り方は簡単♪
可愛らしいピンクの容器に準備されたクリーム素地に、好きな精油を2滴いれて、スティックでよーく混ぜたら完成！




精油は、ラベンダー、オレンジのどちらか、または、1滴ずつミックス。
講師のユカリさんが各テーブルをまわり、好みの精油を入れていきます。
ほんの少しなのに、とてもいい香りが漂いました。

ハンドクリームが完成したら、となりの人と二人一組に。
ユカリさんのレクチャーを受け、お互いの手をケアしていきます。

手のひら全体～指の一本一本～手の甲～肘のあたりのツボまで。



手のひらをそらして広げるところがなんとも気持ちよく、終わったころには血行がよくなり、手のひらがほんのりピンク色に。

向かい合ってお互いの手をケアする、という動作に、慣れないながらも、皆さん和気あいあいとケアしていました。


■ワークショップの感想（参加者アンケートより）■

とっても盛りだくさんなプログラムでしたが、『Amami　woman's　BIZ CAFE』はこれにて終了！




参加者アンケートと引き換えに、今回のイベントのために提供していただいた、働く女性たちを応援する”島の企業からのプレゼント”をお渡ししました。

化粧品サンプルや美容クリーム（現品！）、焼酎のミニボトル、また、美容・リラクゼーション系のお店の割引クーポンなどなど・・・
ご提供いただきました企業の皆さま、本当にありがとうございました。

働く女性たちの交流が目的で行われた今回のイベント。
参加者の皆さんそれぞれが、何かしらの気付きや発見があったようです。
こういった働く女性たちの意見交換（また男女交えて、など）の機会をもっとたくさん作る重要性も感じました。

忙しい毎日のなか、他の女性たちは、どんなふうに仕事に向き合っているのか・・・
悩みや実践を共有しあうことで、明日からの働き方のヒントがみつかったのではないでしょうか？

ご参加いただき誠にありがとうございました！